新作情報541「陵辱アパート 〜2号室の淫夢〜」(大洋図書)主演:国仲みさと 監督:雪村春樹
(寸評)アダルトビデオというよりもピンク映画。ぜんぜん抜けない雪村春樹監督作品。

アダルトビデオが出現する前、動くエロメディアと言ったら唯一ピンク映画(あるいはポルノ映画)でした。70年代末、中央線沿線の各駅にはだいたい3駅に2駅くらいの割合でピンク映画専門の映画館がありました。小金井名画座、西荻名画座など、何度通ったか分かりません。映画はだいたい3本立てから4本立て。各館特集を組んでいて、「人妻大会」「原悦子大会」「痴漢電車大会」など等。料金は学割で700円前後。上映は12時に始まるとだいたい終了が4時ごろになります。昼前に吉野家で300円の牛丼を食べて、映画館に入り4時まで時間をつぶしても1000円くらい。映画館を出ると、女性の顔が全て同じに見えるという難点がありますが、まぁまぁの娯楽でした。
なお、私の好きだったのは「美女拷問大会」。当時見られた唯一の動くSMでした。日野繭子、岡尚美がだいたい姉妹役、親子役で出てきたように思います。憲兵に拷問される中国人スパイ、やり手婆に折檻される女郎、ストーリーはワンパターンでした。また、ストーリーの部分はモノクロ。濡れ場や拷問シーンはカラーという作品もけっこうありました。カラーの方がコストが嵩んだんでしょうね。

と前置きが長くなりましたが、今回紹介するビデオ「陵辱アパート 〜2号室の淫夢〜」はアダルトビデオというよりもピンク映画という印象を受けました。アダルトビデオとピンク映画の一番の違いは見ながら抜くかどうかということと思います。視聴者はアダルトビデオを抜くために見ますが、ピンク映画は抜くためには見ません。映画館で見るのですから、カキながら見ることは元々不可能です。したがい、製作する側も抜かせるような絵や構成で作っていません。
監督は雪村春樹。出てくるだけでも鬱陶しいのに、雪村御大が演出を手がけると、タコビデオが出来上がるというお手本のような作品です。

ストーリーはある夫に逃げられた若妻(国仲みさと)が家賃滞納を理由に大家(雪村春樹)と住人から凌辱を受けるというものです。画面は女優を接写するのではなく、男優と女優をガラス戸を通して移すという撮影を撮っています。それゆえ、この作品はアダルトビデオというよりもピンク映画という雰囲気です。
責めも色責めがありますが、中途半端です。「縛る」という行為は女性を責めるための前段行為です。縛られることにより、女性はこれから受ける責めを甘受するという諦観の表情を見せます。ここに被虐美が出ると思いますが、雪村春樹は「ほどく」為に縛っているという印象です。

また、後半、住人がテーブルの上に拘束された国仲を悪戯、凌辱するというシーンとなりますが、これもお色気バラエティショーという感じです。さらに住人も見栄えが良くなく、絵として不快です。
なお、主演の国仲みさとですが、これはなかなかの逸品です。スタイルが良く、責められているときの表情も悪くありません。しかし、彼女のファンであっても、この作品はあまりお奨めできません。おそらく、この作品はビールでも飲みながら、数人で一緒に見るのが楽しいように思います。



    (2008年7月アップ)


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