前日から天候不順により試合開催が危ぶまれていたが、メンバーの「気」が通じて

ムーンライトでは本当に久しぶりの八潮北での開催。

球場の天然芝は美しい緑色に輝き、広めの外野いっぱいに絨毯を敷き詰めたかのような、

良好なコンディションで行うことが出来た。

試合は、次の試合からセインツヘ移籍する矢橋が、デビルズの先発。

デビルズは初回から相手のミスに漬け込み怒涛の攻撃を展開。序盤から大量リードを奪う。

一方のセインツは北海道・栗の樹ファームへ遠征した藤原が、いつもより広い外野に戸惑った

デビルズ外野陣の間に狙いすました様に快打を連発。俊足とコーナリングテクニックを存分に生かして３塁打を量産。

藤原のハツラツとしたプレーに勢いづいたセインツ、徐々に序盤の得点差を詰めていくと

同じく北海道遠征帰りの大塚、さらには３年目の志村にもホームランが飛び出し、４回には逆転に成功。

セインツリードで７回の裏へ。

マウンドには今季既に２Ｓを挙げている、近江が上がる。勝利まであと一歩。

しかしここで、セインツの攻撃に有利に働いていた外野の広さや、内野に敷かれた独特の土質が

ジワリジワリとセインツのプレッシャーを増幅させ、エラーを招いてしまう。

たちまち塁上は全てランナーで埋まり、８番・佐藤がタイムリーエラーを誘うと、

昨年の新人王・首位打者の浅田が値千金のスリーベースを、レフトへ。

ランナーの浅田を３塁に置いたところで、迎えるバッターは１番・矢橋。

フラフラと上がった当たりはセインツのセカンド・中村の懸命の背走も僅かに及ばず、

ライトとセカンドの間にポトリと落ちて、サヨナラタイムリー。

１塁ベースから駆け寄る矢橋と、３塁ベンチから飛び出したデビルズメンバーが喜びを爆発させ

マウンド付近で歓喜の輪が出来上がった。

この日の東京は気温・湿度ともに高く、立っているだけで汗が吹き出るような暑さだったが、

その暑さをはるかに凌ぐ、熱く激しい試合展開だった。